・潰瘍性大腸炎になってしまったけど、5ASA製剤のことを詳しく知りたい。
・潰瘍性大腸炎が再燃してしまい、5ASA製剤の変更を考えている。
こんな方はおられませんか?
5ASA製剤は、潰瘍性大腸炎の治療に使われる第一選択薬です。
ただ5ASA製剤といっても種類がたくさんあります。
自分の症状に合わない薬を飲んでいるせいで、再燃してしまうこともあります。
そこで今回は、潰瘍性大腸炎歴3年で毎日5ASA製剤を服用している僕が、
5ASA製剤の代表的な3つ、「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」のそれぞれの特徴を紹介します。
この記事を読めば、潰瘍性大腸炎の人が5ASA製剤の特徴を理解し、自分に合う薬が見つけることができたり、
再燃してしまっている人が薬を替えて、つらい症状が治まったりするかもしれません。
※この記事は、あくまで個人の経験談に基づいたものであり、医学的な根拠があるわけではありません。なので参考程度にしていただけると助かります。
前提条件:「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」を5つの観点で比較します。



今回は上記の「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」の3種類を、
・「効果」(作用する部位と溶け方)
・「副作用」
・「飲む量」
・「飲みやすさ」
・「金額」
の5つの観点で比較します。
それではさっそく見ていきましょう!
①「効果」(作用する部位と溶け方)

「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」ともに効果は、
潰瘍性大腸炎の炎症を抑えることです。
潰瘍性大腸炎患者のうち70%に効くようです。
ただそれぞれの薬によって作用する部位や溶け方に違いがあります。
効果 | ペンタサ | アサコール | リアルダ |
---|---|---|---|
作用する部位 | 小腸、大腸 | 大腸 | 大腸 |
溶け方 | 時間が経つと溶ける | ph7以上で溶ける | 大腸で持続的に溶ける |
これだけでは分かりにくいので、詳しく見ていきましょう!
「ペンタサ」は、小腸と大腸で時間が経つにつれて溶けていく。

「ペンタサ」は、時間が経つにつれて薬が溶けて効果を発揮します。
「アサコール」「リアルダ」とは違い、小腸でも溶けるのでクローン病の治療でも用いられます。
個人的には、「ペンタサ」は大腸以外でも溶けるので、
大腸に到達した後の効果は薄くなるのかなと思っています。
たくさん調べてみても潰瘍性大腸炎の患者さんで
「ペンタサ」を経口薬で服用している人は少ない気がします。
「アサコール」は、大腸でph7以上になると溶ける。

この「アサコール」は元安倍首相が服用して、
かなり効果があったと言われていた薬ですね。
特殊なコーティングがしてあり、大腸で薬が溶けだすようになっています。
「リアルダ」は、大腸で持続的に溶けていく。

「リアルダ」は最近できた比較的新しい薬です。
僕も1日4錠服用しています。
これも大腸で溶けますが、マルチマトリックスという特殊なコーティングをしてあり、
大腸で持続的にゆっくりと薬剤を放出してくれます。
大腸で溶け出すのは「アサコール」と同じですが、
「アサコール」よりもゆっくりと持続的に溶け出すという特徴があります。
②「副作用」に違いはない。

ペンタサ(500mg) | アサコール | リアルダ | |
---|---|---|---|
副作用 | 発疹、吐き気、下痢、腹痛、血便、発熱など | ||
まれな副作用 | 間質性肺炎、心筋炎、間質性腎炎、膵炎など |
「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」は
どれも「メサラジン」という成分を違う形で錠剤にしているだけなので、
副作用に大きな違いはありません。
この表にある「副作用」は1%以下、「まれな副作用」は0.1%以下のようです。
比較的安全に使えるのも「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」の良いところですね。
③「飲む量」はリアルダが少なくて済む。

飲む量も薬を選択する上でとても大事な要素だと思います。
飲む量が多すぎて、しんどいってなると困りますからね。
下の表にまとめてみました。
ペンタサ | アサコール | リアルダ | |
---|---|---|---|
寛解期 | 3〜4錠 | 2錠×3回 | 2錠 |
活動期 | 8錠 | 3錠×3回 | 4錠 |
「リアルダ」が飲む錠剤の量は少ないです。
そして1日1回でいいというのがうれしいですね。
1日に3回だと飲み忘れも怖いです。
ずっと続けていかなければいけない薬だからこそ、無理なく飲めるものがいいですね。
④「飲みやすさ」は、「アサコール」が小さくて飲みやすい。

ペンタサ | アサコール | リアルダ | |
---|---|---|---|
大きさ | 約1.7cm | 約1.5cm | 約2.1cm |
長期的に服用するにあたっては、飲みやすさはとても大切ですよね。
表にして比べてみると、やはり「リアルダ」が大きい。圧倒的です。
僕も「リアルダ」を飲んでいますが、最初飲むときはあまりの大きさにびっくりしました。
慣れるまでは食道に詰まりそうになることもありました。
その分一度に飲む錠数が少なくていいんですけどね。
ということで一番小さい「アサコール」が飲みやすいと思います。
⑤「金額」は「リアルダ」が一番高い。

ずっと飲んでいく薬ですから、どれぐらいの金額がかかるのかも気になりますよね。
それぞれの薬の3割負担で計算すると以下のようになります。
ペンタサ | アサコール | リアルダ | |
---|---|---|---|
金額(1錠) | 約16円 | 約13円 | 約50円 |
1ヶ月の金額(寛解期) | 約2000円(1日4錠) | 約2400円(1日6錠) | 約3000円(1日2錠) |
1ヶ月の金額(活動期) | 約4000円(1日8錠) | 約3600円(1日9錠) | 約6000円(1日4錠) |
こう見ていくと、「リアルダ」が一番高いことが分かります。
「ペンタサ」と「アサコール」は同じぐらいだと分かりますね。
僕も「リアルダ」をずっと使っていますが、薬局で支払いをするときに、
「高いなー(泣)」と感じることが良くあります。
ただ1錠の金額は「リアルダ」が高く感じますが、
「リアルダ」は飲む数が少ないので1日の金額では「ペンタサ」や「アサコール」とそんなに変わらないと思います。
メリットとデメリットを比較して、自分に合う5ASA製剤を見つけよう。

「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」のメリットとデメリット
ペンタサ | アサコール | リアルダ | |
---|---|---|---|
メリット | ・時間とともに分解さ れ、個人差なく効果が得られる ・錠剤の大きさを選べる | ・大腸に集中して効果があり、体質により効く人にはより効果的 ・錠剤が小さい | ・アサコールより肛門側で効果が期待できる ・錠剤が少ない |
デメリット | ・薬剤の大腸到達量が全体の半分であり。特にS状結腸〜直腸への効果が弱い ・服用錠数が多い | ・溶けるのにphが関係し体質により効果に差がある ・服用錠数が多い | ・溶けるのにphが関係し体質により効果に差がある ・錠剤が大きい ・金額が高い ・冷所保存が必要 |
ボクは、「リアルダ」を3年間服用しています。

僕自身は潰瘍性大腸炎になってから3年間「リアルダ」を服用しています。
再燃したことも4回ありましたが、現在は「ペンタサ坐剤」と併用することによって寛解を維持することができています。
再燃してしまったときに、「アサコール」が効くかもしれないと思って病院の先生に言って変えてもらおうと思ったこともありましたが、結局そのまま「リアルダ」を使っています。
ただ5ASA製剤を使っているけど症状が落ち着かない、現在の5ASA製剤では使用上困ることがあるなどの人は、他の5ASA製剤に替えてみることもアリなんじゃないかなと思います。
病院の先生に相談してみてください。
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